濡れていたくて・・

 
 
 
 
 
 
あの日・・

彼女の元で

あなたの足跡が消えた

あの日・・



あなたからのメールは

『別れましょう』だった・・





凍てつくような雪の中

ただ 立ち尽くしていたわたし・・

いつの間にか季節は移り

優しい雨に変わっていた・・





 『心の雨に 傘をくれたのは
    あなたひとりだった――』





空から零れる滴を見上げ

そんな歌を口ずさんでみる・・

肌を濡らす雨の方が

こんなにも温かいなんて・・





失くした傘は見つからないけど

あなたの傘はここにはないけど・・

心の雨は降り止まないけど

今はまだ 濡れていたくて・・