手をとって・・

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小さな 小さな子供は泣いていた
ひざを抱えて泣いていた・・

公園の片隅で 誰にも気づかれず
ただうつむいて 泣いているだけだった・・



少し肌寒い秋風の中 ひとりベンチに座る僕は
いったい誰を待っているのだろう・・?

約束なんて当になくなったはずなのに
君はとっくに消えてしまったのに・・



にぎやかな子供たちの声が より一層際立って
影ふみの楽しめる時間になってきたようだ・・

小さな子供は泣き止んでいた
楽しそうな子供たちを 遠い目で見つめながら――



ひとりふたりといなくなり
この閑散とした公園には 君とふたり・・

僕は立ち上がり 君に手を差し出した
この手をとった君の手は――・・





あぁ・・ そうか――・・





さぁ・・ 僕と一緒に行こうか
もう ここへは来なくていいんだよ・・

君のいる場所は ここじゃない
戻っておいで・・ 僕の中へ―――・・












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