Message‥
トゥルル‥ トゥルルルル‥
(出ないで‥)
トゥルルル‥
(出ちゃダメ、出ないで‥)
トゥル‥チャ
「‥‥もしもし?」
『――――っ!!いやぁ~~~~~っ!!!なんで出るのよっ!?』
「はぁ~?なんで‥って、おまっ!自分で電話しといて何言ってんだ!?」
『何言ってるって、もう連絡するなって言ったのあなたでしょう?なんで出るのよ!
ふつー出ないでしょう?出るわけないでしょ?無視しなさいよ!ほっときなさいよ!
あり得ないでしょう!何考えてんの?ばっかじゃないの?おかしいでしょうが‥!』
「‥‥おい、バカはお前だろうが。‥なんか用か?」
『用なんかあるわけないでしょうが!あんたなんかに‥っ!』
「あーそーかっ!じゃあ、もう二度と電話すんなよな!!!』
ガチャ‥!
『――‥!!』
トゥルルル‥ トゥルルル‥
トゥルルル‥ トゥルル‥チャ
「こちらは、留守番電話サービスです。メッセージを‥」
『‥もしも~し。元気にしてますか?風邪とか引いてない?
昼夜の気温差が激しいね。からだ‥大事にしなさいよ。
‥今夜は、とっても綺麗なお月さまだね。あなたも‥観てるのかな‥。
お月さまの光が、まぶしいくらいだね。その光に含まれた想い‥
あなたなら気づけるのかな‥。』
『そうそう、面白いこと考えたんだ!これから寒くなるじゃない?
肉まんの恋しい季節だよね~?でもぉ~?肉まんならぬ
なっとーまん!!ジャジャ~ン!どだっ?
納豆だけだとエグイから、キムチなんか入れてみた!
納豆キムチまん!我ながらいいアイディアでしょう?
すっごい自信作なんだけど、だれも食べてくれないんだよね。
‥こんなの、食べてくれるのあなたくらいなんだけど‥ね。』
『‥今日は、声聴けてうれしかった。ありがとう。ごめんね‥。
これで、最後にするから‥。じゃあ、ね‥‥‥。』
ピーーーッ。
「このメッセージを保存するには‥」
‥ピッ。
チャーチャチャチャーチャンチャカチャーン‥
『―――――‥!?』
ジャガジャガジャガジャ‥‥ピッ。
『‥‥‥‥‥‥。』
「‥おまえって、ほんっっっっっとに、バカだろう?」
『‥‥なに、それ!ひっど‥。』
「おまえなぁ~。納豆キムチまんなんて、この世の中に食べる奴いるわけねぇだろ?
‥‥おれ以外に。」
『‥‥‥‥え?』
「いいから早く持って来い!‥おれが食ってやるから。」
『―――――っ。』
「ばぁ~~~か!」
『―――‥バカは、おまえだぁ~‥。』